トップ > 用語集 > 染料 > りんさんかせんりょう【リン酸化染料】

  • アニオン染料の一種で、染料残基(D)にリン酸基を配位形成基として持ち、クロム、チタニウム、ジルコニウム、アルミニウムと配位する。酸性染料と全く同じ染色方法でよく、染色後、金属再鞣し剤の後処理により、錯塩化し、湿潤堅ろう性を高めることができる。染料残基の種類により酸性範囲(pH3〜6)を調整する。リン酸化される染料の種類は広い。水に難容性の染料もリン酸基を導入することによって易溶化される。金属塩後処理直接染料に比べ、色のくすみも少なく、応用範囲は広い。リン酸化した染料の一例を次に示す。このリン酸化染料で染色後、錯塩化することにより一層耐光性や湿潤堅ろう性が向上する。

    総合皮革科学(日本皮革技術協会)1998年:p93より転載

  • 染料分子中にリン酸基を有するアニオン性染料。性質と染料方法は通常の酸性染料と似ている。しかしリン酸基が革中の金属鞣剤、例えばクロム化合物と強い配位結合を形成するので高い染色堅ろう度の革を与える。

    An anionic dyestuff class possessing phosphonic acid groups in the molecule. The property and application method of this class substantially equal to the normal acid dyestuff. However the phosphonated dyestuff molecule has an additional affinity to chrome leather, for example, due to the formation of coordinate bond with chrome complex in the leather and hence a high color fastness is obtainable.

    日英中皮革用語辞典(日本皮革技術協会・中国皮革工業協会共編)樹芸書房 2000年:1310Dより転載

  • リン酸基を分子中に持つ染料の総称。皮革の鞣しに使用したクロムやジルコニウムなどと配位結合で結合するために、反応染料に匹敵する堅ろうな染色が可能である。革繊維に結合したクロムのうち架橋に関与するものは総結合量の約10%弱で少ない。ほとんどのクロムは2つある結合手のうち1つしか使用せずに革と結合している。残り1つの結合手に染料分子中のリン酸基が結合する。このため、皮革の染色方法で最も一般的な酸性染料と同様の染色方法(50℃、弱酸性浴)で染色が可能で、濃色染めも可能である。一方、コラーゲン繊維表面でイオン結合や物理的吸着など弱く結合したリン酸化染料が存在し、染色堅ろう性が低下する。これらを取り除くために、反応染料の染色の場合と同様にソーピングが必要である。そのほか、充填性の鞣し剤、例えば植物タンニンや合成タンニンなどは、染料の結合場所であるクロムを封鎖するためこれらで処理された後で染色すると、リン酸化染料は酸性染料と同様に染着するために大幅に堅ろう性が低下する。この染料の特徴として、染色廃液中に残留する染料は、鉄、アルミニウムイオンやカルシウムのような金属イオンを添加することによって容易に沈殿し、廃液から除かれる。染料の製造コストが高いのが難点である。

    皮革用語辞典(社団法人 日本皮革産業連合会):2012年11月28日転載

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